銀ちゃんとヤスと桜吹雪

ポスターやフライヤーを含むパッケージデザイン的にも、シリーズものという意味でも、 ここに至るまでに「箱式/箱式第二集/箱よさらば。/完全立方体~PERFECT CUBE~」「home/FLAT/news」「椿/鯨/雀」のシリーズがあった。 いずれの流れも美しかったけれど、ビジュアルデザインはこの先更に自由奔放に変貌を遂げていく。 「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」以降、それは「単独」で扱われ、各公演の個性がより強調されたものとなった。

「これまでとは違う何かが起きそうだ」そんな、ラーメンズ新時代突入を予感させる起点となったのが「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」だと私は思っている。 不思議な空間、斬新なアイデア、演技力、魅せ方含め、全てが急激に洗練されたように感じられたからだ。 更には、二人の世界、絆の強さをまざまざと見せつけられたような、とても嬉しい気持ちにもなった公演。

そんなこんなで、個人的に大注目の公演「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」の 最後を飾るのが「蒲田の行進曲」。


第11回公演:CHERRY BLOSSOM FRONT 345 蒲田の行進曲




「誰かを崇拝するということは、自分の自由を失うこと」

ムーミン作家のトーベ・ヤンソン女史が、スナフキンにこんなことを言わせているのだけれど、 映画「蒲田行進曲」での銀ちゃんとヤスの関係を思う時、私はいつもこのスナフキンの言葉を思い出す。 「蒲田行進曲」のオマージュと思われる「蒲田の行進曲」にもこの関係性は引き継がれ、憧れの存在との距離感について観る度に考えさせられる。


映画での銀ちゃんとヤスの関係性は少し歪だ。釈然としない出来事に直面しても、それでも銀ちゃんへの憧れを抑えられないヤス。その気持ちも切ないほどよくわかる。 人生は不公平だ。天性の輝きを放つスターと、どんなに焦がれて努力を重ねてもそこには辿り着けない人達がいる。
「蒲田の行進曲」は、映画を知らない人にはただ単純に面白いコントなのだと思うけど、 映画の二人を知って観ると、多分、もっとグッとくる作品だと思う。そしてついつい真似したくなるのが


「銀ちゃんカッコいいーーーーーーっ!!」


賢太郎さんはこのセリフを言いたくてこのコントを書いたのだとか。

「蒲田の行進曲」はラストの演出が華やかでドラマチックで、とにかくカッコいい。何度も繰り返し見たくなる。 仁さんも賢太郎さんもやってて気持ちよかっただろうなぁ。


そして私は今でも、次にどこかで発見される恐竜の化石が「コンドウザウルス」と命名されればいいのに〜と思い続けている。


▶︎ CHERRY BLOSSOM FRONT 345 DVD




2022/12/01

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